正一嗣漢張天師府正一嗣漢張天師府

31.張時脩

三十一代天師の諱は時脩、字は朝英、第二十七代張象中の四男張敦直の子である。元々儒学を学んでおり幾度も科挙を受けたが及第できなかった。

張継先は結婚しなかったので子が無く、弟の張淵宗を道士とし、教団を仮の形で継がせた。靖康丙午の年(1127)に泗州に遊び、羽化の直前に印・剣・経籙を張時脩に託したので、一族は教団を継ぐよう勧めた。張時脩は辞退して、「継先よ、私は甥です。どうして後継ぎになれるでしょうか?」と言ったが、一族が「これが法統です。」と言うので教団を継ぐことにした。

ひっそりと静かに身を退け修練に打ち込んだ。六十一歳の時に龍虎山の旧居で羽化した。十四年間の在位であった。