正一嗣漢張天師府正一嗣漢張天師府

28.張敦復

二十八代天師の諱は敦復、字は延之、張象中の長男である。父の張象中が昇天した後、伯父の張執中が二十八代天師の摂政として教団を掌った。天師は素直な性格で、天性の優れた学識によって名声は世に轟いた。若い頃から儒学を修め、優れた科挙の成績で名声を得て、文士らの羨望の的となったが、嫡子であったため教団を継承し、祖天師の教えを大いに明らかにしたので、人々は天師に従った。

宋の神宗は煕寧年間に天師を宮廷へ召し、宮廷内で斎醮を命じた。祖天師に「輔玄」の号を加えて「三天扶教輔玄大法師」に封じた。

宋の哲宗は元裕元年に再び新たに龍虎山大上清宮を修繕し、道士の賈善翔がこれを記録した。

五十三歳で羽化した。剣を鄧家塢に埋葬した。子が無く、甥の張景端を後継ぎとし、第二十九代天師とした。