正一嗣漢張天師府正一嗣漢張天師府

27.張象中

二十七代天師の諱は象中、字は拱晨、張嗣宗の幼子である。生まれて三ヶ月で歩き、五ヶ月で言葉を話すという並々ならぬ才気を備えていた。経書・史書に幅広く通じ、道術にも長けていた。七歳の時に宋の仁宗が宮廷へ召し、紫衣を賜い、教団を継ぐように命じた。座を賜い道を問うと、その答えは帝を満足させたので、真筆を賜い、さらに絹の束と金の器を賜った。以後、帝は頻繁に賞賜を送った。後に徴君山の梧竹塘に帰り、廬を建てて住んだ。

武当山に参拝した時に裴慶と名乗る者と会い、姑蘇で会うよう告げられた。その者の足は浮んで地に着いていなかったので、天師はますます不思議に思って追いかけたが、どこへ行ったのか分からなくなった。姑蘇に行くと裴慶がおり、「三年後、私を廬山の峰の頂で待つように。」と言って去って行った。三年後、人々は裴慶と白い鶴が昇天するのを見た。天師が廬山の峰の頂で待っていると裴慶が来て、手を携えて一緒に去り、どこへ行ったのか分からなくなった。

六十五歳で道を得て昇天した。七星墩・白鶴塢の遺跡が残っている。