正一嗣漢張天師府正一嗣漢張天師府

26.張嗣宗

二十六代天師の諱は嗣宗、字は栄祖、張乾曜の長男である。生まれた時、左の掌に印文があった。祖天師の教えを受け継いで秘籙を伝授した。並々ならぬ霊威を備えていた。

宋の仁宗の時、弟子たちを率いて吉州安福県に道を伝え、銅印と符籙を用いて法を広めて除災招福を行ったので、人々はこぞって天師に従った。時にこの地を妖術によって治めていた県令の林積が天師を妬み、捕らえて銅印を壊して獄に送った。さらに帝に上奏し、「そもそも、天師の祖先は漢朝の賊です。その子孫を代々封じるべきではありません。」と言って、天師への恩寵を廃するよう申し立てたが、帝は与せず、天師は釈放された。

呼吸法を習得し、七十八歳になっても容貌は子供のようであった。八十一歳で羽化した。剣と酒を口寨に埋葬した。