二十一代天師の諱は秉一、字は温甫、張諶の長男である。母が昼寝していた時、夢の中で神人が金の亀に乗って降臨するのを見た。目が覚めると妊娠しており、十五ヶ月後に天師を出産したという。
幼い頃から道を学び、家の中にいながら垣根や壁の外を窺い見ることができた。成長すると、目は電光のように光り、夜に物を見ることができた。大金を費やし、飢饉の年に市場から穀物を調達して貧民を救済した。剣を背負って山や沢に入り、一本の老木に向かって叱りつけると、雷が落ちて木は砕け散り、二匹の大ウワバミと子蛇百匹余りが雷に打たれて死んでいた。
南唐の斉王は夢の中で井戸に落ち、眉間が隆起して緑の瞳に長い髯を生やした、魚の鱗の衣を着た道士が井戸から引き上げてくれた。夢占いが、その道士は祖天師のことであると言うので、龍虎山に天師廟を建てて水田を賜い、道士たちの食に供した。
羽化する直前、「私が羽化した暫く後に地震が起きるだろうから、その後に埋葬するように。」と言い終わると正座し、笏を持って羽化した。七日後、その通りに地震が起きたので棺に入れて葬ったが、体はなお温かく玉のように美しかった。九十一歳の時であった。