正一嗣漢張天師府正一嗣漢張天師府

13.張光

十三代天師の諱は光、字は徳紹、初めの号は光昭、十二代天師の長男である。若い頃に祖天師の法を受け継ぎ、道の成就を志した。しばらくして妻と別れ、幼子の張晤と共に山に入って修行し、三十年に渡って石室の中に住んだ後に妻と再会し、さらに五年に渡って石室で暮らした。教団を継いだ後、家に帰って経籙を弟子たちに伝授し、常に菜食して暮らし、後に穀類を絶って飛行の術を学んだ。百四歳で羽化した。

昔、祖天師が雲台山で昇天した時、天地の万神に告示し、「私が昇天した後、太上老君より賜わった宝剣・都功の印・籙を子孫に伝えて億兆の民を救済する。」と言った。籙は当初、木簡で作られ、三部に分かれて各々に符文が記されており、籙を授かる者は必要な書類を持って行き、靖室の中で授与されていた。天師に伝わる籙は製作に費用と労力を要し、伝授すべき事柄は多いにも関わらず、十分に内容を網羅できていなかった。そこで、天師は籙を紙または絹製に改めて編纂し、符は版木を使って印刷できるようにして内容を充実させたため、以後の籙には紙や絹を用いることとなった。籙を授けられた者には神霊が応じた。